中学受験の世界に足を踏み入れると、想像を絶するスピードで現金が飛んでいきます。当ブログの別記事でも小6のリアルな費用(課金の現実)について赤裸々にまとめましたが、我が家は3人の子供を抱える5人家族。長男の中学受験は、これから訪れる「教育費のピーク」の序章に過ぎません。
手取り収入が右肩上がりに増える時代ではない中、莫大な教育費をどう捻出し、家計を防衛していくのか。
MBTIでいう「INTP(論理学者)」の性分なのか、私は昔から「なんとなく不安だから」という感情論よりも、数字の合理性を優先して家計を組み立てるのが好きです。
今回は、長男の塾通い本格化に向けて我が家が断行した「3つの家計戦略(住宅ローン、保険の見直し、会社の制度活用)」についてお話しします。同じように教育費に悩む子育て世代の参考になれば幸いです。
Contents
戦略1:あえて「住宅ローンの繰上返済」をやめる
教育費が膨らむ時期に、我が家が真っ先に決断したのが「住宅ローンの繰上返済をしない」ということです。一般的には「借金は早く返した方がいい」と思われがちですが、論理的に考えると今の時代は少し違います。
手元の「現金(キャッシュ)」を減らす最大のリスク
住宅ローンは、人生で最も低い金利でお金を借りられる最強の制度です。これを慌てて繰上返済してしまうと、手元の大切な「現金」が減ってしまいます。
中学受験の塾代や受験料、そして入学金は「待ったなしの一括現金払い」が基本です。いざという時に手元にキャッシュがない状態(黒字倒産のような状態)になることこそが、家計にとって最大のリスクだと考えています。
借入金利 < 運用利回りの合理性
現在の住宅ローンの変動金利は非常に低水準です。仮に金利が0.5%だとして、繰り上げ返済に回そうとしていた手元の数百万円を、後述するNISAなどで手堅く運用して年利3〜5%で回せれば、その金利差(スプレッド)でトクをすることになります。「ローンはゆっくり返し、手元の資金は運用で増やす」のが、我が家の基本スタンスです。
戦略2:保険の断捨離(医療保険は解約、貯蓄型は激しく後悔)
子供が成長するにつれて、必要な保険のカタチも変わります。教育費を捻出するため、固定費の代表格である「生命保険」をシビアに見直しました。
残したのは「死亡保険」と「就業不能保険」だけ
私に万が一のことがあった場合の「掛け捨ての死亡保険」と、働けなくなった時のための「就業不能保険」。この2つだけは、残された家族の生活基盤を守るために必須の防御策として残しています。子供が大きくなるにつれて必要な保障額も減っていくため、定期的に見直して保険料を下げる方向で動いています。
医療保険の解約と「貯蓄型保険」の失敗談
一方で、思い切って解約したのが「医療保険」です。
日本の公的医療保険制度(高額療養費制度など)は非常に優秀で、病気になっても月の自己負担額には上限があります。手元に十分な現金(生活防衛資金)さえ確保しておけば、毎月高い保険料を払って民間の医療保険に入る必要性は薄いと判断しました。
実は一番後悔しているのが、昔「貯金代わりになるから」と言われて入ってしまった「貯蓄型保険(学資保険やドル建て保険など)」です。手元に現金が必要な今、途中で解約すると元本割れしてしまうため、身動きが取れません。資金が長期間ロックされるデメリットを痛感しており、「本当に入らなきゃよかった…」と日々悔やんでいます。満期が来たら即解約して、投資に回す予定です。
戦略3:資産を増やす「持株会」と「新NISA」の二刀流
支出を削り、手元に現金を残す仕組みができたら、あとは「増やす」フェーズです。
奨励金が美味しい「会社の持株制度」のフル活用
意外と盲点なのが、会社員ならではの特権である「従業員持株会」です。
多くの企業では、毎月の給与から自社株を積立購入する際、会社から数%〜10%程度の「奨励金(上乗せボーナス)」が出ます。この奨励金のおかげで、普通に株を買うよりも圧倒的に有利に資産形成ができます。我が家もこの持株制度をフル活用し、給与天引きで強制的に資産が貯まる仕組みを作っています。
小5の通塾前に「新NISA」である程度貯め切る
そして、資産形成のメインエンジンとなるのが「新NISA」です。
我が家のNISA投資戦略(オルカンや高配当株の活用法)や、妻の100万の壁との葛藤については、当ブログの別記事「【教育資金と新NISA】通塾前に貯め切る我が家の投資戦略」で詳しく解説していますが、最大のポイントは「塾の課金が本格化する小5の前までに、ある程度の教育資金のベースをNISAで作ってしまった」という点です。
【恐怖の試算】5人家族・3兄弟のリアルな教育費シミュレーション
「教育費がピークを迎える」と頭では分かっていても、実際に計算してみるとその額に言葉を失います。我が家(子供3人)の今後の進路想定に基づく、ざっくりとした教育費のシミュレーションを公開します。
| 進路の想定 | 費用の目安(塾代含む) | |
|---|---|---|
| 長男 | 中学受験(小4〜6塾) → 私立中高一貫 → 私立大学(理系) → 大学院(修士) | 約1,800万円 |
| 次男 | 公立中(高校受験塾) → 私立高校 → 私立大学(文系学部) | 約1,000万円 |
| 三男 | 公立中(高校受験塾) → 私立高校 → 私立大学(理系学部) | 約1,150万円 |
| 3兄弟の教育費 総額目安 | 約3,950万円 | |
- 長男:中学受験塾(約300万)+私立中高6年(約600万)+私立理系大4年(約700万)+院2年(約200万)
- 次男:高校受験塾等(約150万)+私立高3年(約300万)+私立文系大4年(約550万)
- 三男:高校受験塾等(約150万)+私立高3年(約300万)+私立理系大4年(約700万)
※公立小学校の費用や日々の生活費は除外した、純粋な「進学・学習関連費用」の概算です。
いかがでしょうか。子供3人を希望の進路に進ませようとすると、総額で約4,000万円という途方もないキャッシュ(現金)が必要になります。家がもう一軒建つ金額です。
この残酷な現実(シミュレーション)を直視したからこそ、我が家は「なんとなくの節約」を辞め、家計の財務戦略を根本から見直す決断をしました。
まとめ:教育費の捻出は「感情」ではなく「計算」で
- 手元の現金を死守: ローンの繰上返済はせず、キャッシュの余力を残す。
- 不要な保険は切る: 医療保険は解約。掛け捨ての死亡・就業不能保険のみ。
- 会社の制度とNISAを使い倒す: 持株会の奨励金を活かし、NISAで増やしてインフレに備える。
5人家族で複数の中学受験(あるいは大学進学)を乗り切るには、「節約して貯金する」だけでは限界があります。
どこにお金を置き(NISAや持株会)、どこから流出を防ぐか(ローンや保険の見直し)。まるで小さな会社のCFO(財務責任者)になったつもりで、合理的に数字を組み立てることが、家族の未来を守ることにつながると信じています。


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